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40年変化のない結婚式場のビジネスモデル
箱を貸して料理を提供し、挙式披露宴をするといったように、40年前から結婚式事業の形態は変わっていますが、ビジネスモデルはほとんど変わっていません。
一方、ビジネスモデルが変わらないなかで、平均単価はじわじわと上がっており、他の業界から見ると非常に珍しいのがブライダル業界における結婚式場ビジネスと言えるでしょう。
時代と共に婚姻組数が徐々に減っているなかでも、あれこれサービスを付加して単価を上げて事業を維持してきたのが、これまでの結婚式場でしたが、今や新型コロナウィルスや価値観の変化など外部要因によって変革せざるを得ない状況です。
多くの結婚式場にとってこれから先、単価の下落はやむを得ず、たとえ下がったとしても事業を維持できるビジネスモデルにしていかなければなりません。
ビジネスモデルはPL構造に現れる
ビジネスモデルを変革するにあたって把握しておかなければならないのがPL構造です。
粗利率、労働分配率、FLコスト、広告宣伝費率、対売上高営業利益など、ビジネスモデルはほとんどがPL構造のなかに現れます。
コロナ前の営業利益率が10%程度の企業では、2020年3月以降が固定費がほぼ一定、媒体の集客頼みになっていた広告宣伝費も一定、かけざるを得ない状況のはずで、件数や売上が下がっていくと赤字確定となります。
決して他人事ではない、このような状況のなかで何を変えなければならないか、どのように変革をすべきなのかというと、
本コラムでは何度もお伝えしております、ずばり、フォトウェディング業態を付加することです。
結婚式場がフォトウエディング事業に本格参入すべき理由
2022年はコロナ終息の兆しが見えていますが、ブライダル業界全体としての超回復を見込むのは
多くの結婚式場様からフォトウェディングによる集客ができない理由をお聞きすると、概ね以下のようなことが挙げられます。
・婚礼客がフォトのみになるのではないかというリスクを恐れている
・単価が低いため儲からない。本腰が入らない
・フォトグラファー、衣装を外注しているから利益がでない
一方でフォトウェディングを行うことによるメリットはたくさんあるはずです。
今もこれまでも式場、バンケット、スタッフは平日はほとんど稼働していないはずです。ほとんどの式場が休館日を取って、清掃やロールプレイングを行い、接客をほんの少し行うのが平日の当たり前だったのではないでしょうか。
固定費が一定かかっているにもかからず、平日は空気を回しているに過ぎないと言っていいでしょう。
フォトウェディングは新郎新婦の都合さえ合えば行うことができますし、有給消化年間で最低5日取らなければならないという制度も後押しをして、平日に休みをとって撮影するという人もたくさんいます。
結果的に空いている式場、バンケット、スタッフの平日稼働率を高めることができ、空いている時間と空間を売上に変えることができるのです。
また、CPAが異常に低い点もフォトウェディングの特徴であり、フォトウェディングの集客を利用して結婚式へのアップセルするができるとさらに大きなメリットとなります。
CPAとは、1件当たりの顧客リードを獲得するコストですが、結婚式の場合8万~10万になるところが、フォトウェディングの場合は350円~2,000円になります。
もしフォトウェディングを入口に挙式、会食等につなげられたとしたらフォトウェディングの広告宣伝効果は多大なものになります。
さらに今の消費者の購買には、ビジュアルコミュニケーションが大きく影響を及ぼします。
写真事業を強化することでビジュアルコミュニケーション力が強化されSNSが活発化するという別の効果も得られるはずです。
結婚式場のビジネスモデル変革
内製化の有無によりますが、1チャペル2バンケットある式場のとある企業では、フォトウェディングの粗利率は71.5%。式場内でフォトウェディングを行うため地代家賃がかからず専任スタッフを3名想定したとしても(コロナ禍なら兼任も可)、営業利益率が32.5%となっています。
もう一つ、重要なのはフォトウェディング事業だけではなく、結婚式場事業単体の営業利益率すら高めることもできるという点です。
これはなぜかというと、前述のとおりフォトウェディング事業を付加すると、結婚式場を探す前のフォトウェディング層を集客することができるので、広告宣伝の仕方が大きく変わります。
これまで結婚式場では当たり前だった媒体を通して行ってきた広告宣伝ではなく、ホームページやSNSを使った自社メディアによって集客することで結婚式場に使っていてた広告宣伝費を大きく下げることができ、集客モデルが変わります。
結婚式場がフォトウェディング事業を行ううえで必要なこと
ここまでのお話でお分かりいただけたかと思いますが、現状の延長線上で式場をどんなに稼働させても、これから黒字化することは難しいため、業態付加によるビジネスモデルの転換が必須です。
既にフォトウェディングを婚礼とは別の事業と捉えて利益率を改善し、単価が低くてもきちんと儲けをだしている企業様はいらっしゃいます。
中途半端でやるのではなく、結婚式の延期のおかげで稼働が潤っている今だからこそ、本格的に参入をすべきです。
アフターコロナでもしっかり利益をプラスできるようにするためには、攻め時は”今”なのです!
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