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こんにちは。船井総研 ブライダル経営.com編集部です。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけについて、政府は2023年5月8日に、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針です。それに伴って、ブライダル業界も急速に動きが出始めている時期かと思われます。
今回のテーマは「 2023年5月以降、ブライダル業界の市場動向はどうなる? 」です。
目次
1.ブライダル業界の現状と課題
新型コロナウィルスにより、2022年も厳しい状況に立たされていた婚礼業界。
業界が現状抱える課題をまずは整理していきましょう。
1−1.少子化による市場縮小
ブライダル業界は少子化による影響を受けやすい業界です。2050年には日本の総人口は3300万人減少すると言われており、高齢者の割合も年々増加していきます。
市場が縮小していく状況で、いかに顧客を獲得していくかということが課題になっております。
1−2.未婚率増加、ナシ婚による婚姻数の減少
少子化だけでなく、未婚率の増加やナシ婚の増加も婚姻数の減少に繋がっています。
未婚率は令和婚の影響で一時的に下降いたしましたが、その後は未婚率が上昇傾向にあります。
また、経済状況などから「入籍をしても挙式・披露宴をしない」というナシ婚の選択肢を取るカップルも増加しております。
このナシ婚の層に対していかにアプローチしていくか、ということも今後の課題となるでしょう。
2.コロナの収束によるブライダル業界の変化
市場縮小に加えて新型コロナウィルスによる影響。非常に厳しい状況にあるブライダル業界ですが、2022年後半からは年後半にかけて徐々に戻りがみられました。コロナの収束による変化が現れたのです。
2−1.外出や移動への意識の変化による婚礼数の増加
規制の緩和や感染者数の減少、旅行支援など外出や移動への意識の変化が起こったことにより、婚礼数は増加しました。特にコロナ禍で我慢を強いられてきた中規模・大規模帯の婚礼の戻りが目立っており、2022年の婚礼平均単価は303.8万円と、昨年と比べ11.5万円増加しております。※1
※1 出典:「結婚総合意識調査2022(リクルートブライダル総研調べ)」
2−2.ユーザーの多様化によるウェディングイベントの増加
ウェディングイベント全体においても増加しております。先ほど業界の現状と課題で触れた「ナシ婚」ですが、コロナ前から婚礼業界の課題として挙がっていました。コロナ禍に置いてその動きは加速するのではないかと懸念されていましたが、逆に2022年は、何らかのウェディングイベントを実施した割合は75.7%と、昨年より4.6%増加しています。※2
ウェディングパーティーに限定しても59.6%が実施しており、昨年より6.5%増加している状況です。※3
パーティーの実施はコロナの緩和による戻りも考えられますが、ウェディングイベント全体においての増加は、コロナ禍におけるフォトウェディングの普及や会食の実施など、ユーザーの求めるウェディングイベントの多様化が進んだことが後押しになったと考えられるでしょう。
※2 出典:「結婚トレンド調査2022(リクルートブライダル総研調べ)」
※3 出典:「結婚トレンド調査2022(リクルートブライダル総研調べ)」
3.ブライダル業界は今後どうなる?
中人数~大人数帯の施行が戻ってきたことで、コロナ前の状態へ回帰するのではないかという希望もあります。しかし、実際はコロナの揺り戻しによる特需がきているのではないかという見方もあります。
特に地方での大人数帯の施行が急激に、安定して戻ってくることはないと考えるほうが自然でしょう。
家族婚やフォトウェディング、会食などの多様なウェディングスタイルが誕生したコロナ禍を経験したユーザーの動きは、アフターコロナにおいても依然続くと予想され、個人の思想やスタイル、こだわりに合ったイベントを実施する流れはスタンダード化していくことが予想されます。
4.ブライダル業界で今後勝ち抜くために行うべきポイント
以上を踏まえてブライダル業界が今後取るべき戦略は
・業態別の婚礼事業ポートフォリオの作成
・各ブランドごとの集客
の2点がポイントとなってまいります。
4−1.業態別の婚礼事業ポートフォリオの作成
コロナの揺り戻しにより大人数・中人数の施行が今後も戻ってくるのではないかと、大きな期待を寄せている式場様も少なくはないでしょう。しかし前述の通り、ユーザーのウェディングイベントに対する意識が変化したことにより、ホテル・専門式場が大人数の披露宴のみを受注していればよいという流れは変わりつつあります。
そのため、2023年5月以降は
・60名以上の挙式・披露宴
・31名以上59名以下の挙式・披露宴
・30名以下の挙式&会食
・フォトウェディング
の4つの業態に分けて、婚礼事業ポートフォリオをそれぞれで作成していく必要があります。
これまで、大規模な結婚式をメインで受注してきた式場様にとって、小規模帯の結婚式やフォトウェディングの打ち出しを行うこと自体、単価の下落やブランドへのイメージ毀損を懸念してなかなか手を付けられずにいたケースも良く耳にしました。
しかし、今後のウェディングスタイルと顧客ニーズの変化に適応し、さらにそれぞれの業態同士でのカニバリズムを防ぐために、既存の式場ブランドとは別にフォトウェディング専門ブランド・少人数婚専門ブランドを立ち上げることが必要です。
4−2.各ブランドごとの集客
業態の幅が広がり、扱う商品が増えることで、これまでの集客手法の意識をがらっと変える必要があります。結婚式をしない層やフォトウェディング、少人数婚を考えているカップルは、結婚式場の大手媒体を見ることがありません。各ブランドごとに合わせた方法で集客をする必要があります。
4−3.各ブランドごとに専任のWEB担当者を採用
ホームページやポータルサイト、SNSの運用を尖らせる必要があり、決して片手間では上手くいきません。
専任のWEB担当を採用し、各種更新や分析を行うことが重要になってくるでしょう。コロナがいよいよ終息に向かっているなかで、ブライダル業界全体として大きく変化が進んでおり、今までと同じ手法でOKという訳には行かない状況です。その時々の時流に則った取り組みは、とにかくスピードが重要だと言えます。
5.ブライダル業界におけるマーケティング戦略で強化すべき媒体
専任者を設け、各ブランドごとの集客強化が必要と述べましたが、具体的にどの媒体を強化すべきなのかをご説明します。
5−1.ブライダル関連の情報誌やポータルサイト
ウェディング関係の情報誌やポータルサイトは未だに根強い集客力を持っています。ターゲットが少人数婚ではない結婚式を検討しているカップルなのであれば、有効な媒体です。掲載料等のデメリットはありますが認知度を上げるためには抑えておくとよいでしょう。
5-2.自社メディア、SNS
自社のホームページなどはSEO施策を施せば費用をかけずに集客を見込める重要な媒体です。広告のような即時性は見込めませんが資料請求や見学予約などにスムーズに繋げることが可能です。
5-3.WEB広告、SNS広告
華やかなウェディングドレスや会場の写真でユーザーを惹きつけることが出来るウェディング業界はSNS広告が非常に相性が良いです。ただし競合も多いため効果的に広告を打つためにはノウハウが必要になってまいります。ターゲットの設定や表示地域、掲載時期の設定などをうまく組み合わせ、活用していくと効果を最大限に発揮できるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
ブライダル業界での今後の経営にお役立ていただけますと幸いです。
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