コラム

結婚式場がフォトウェディングに参入して成功した事例

2022年08月03日
    

「コロナが終息に向かっていたなのに、再び感染拡大に向かっていて先行きが不安・・・集客も売上も思ったより回復していないし・・・」

婚礼事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
今回はそのような状況のなかでも、業績を堅調に伸ばしているホテル結婚式場様が、
コロナ前から始めているフォトウェディング事業の成功事例についてお伝えしたいと思います。
ホテル結婚式場様にとって、今フォトウェディングに取り組むことが、ブライダル業界で生き残るためのラストチャンスと言えるかもしれません。

婚礼業界を取りまく状況

耳にたこができるくらい聞いていることだと思いますが、大事なことなので現実を直視するためにも改めて、婚礼事業の現状に触れておきたいと思います。


①婚姻組数の減少・ナシ婚層の増加が加速
少子高齢化、若者の価値観の変化により今後も婚姻組数減、ナシ婚層増の流れは止まることはありません。


②高単価に依存した収益構造の崩壊
挙式披露宴は長年に渡り、これまで単価が上がる一方でしたが、コロナによる意識の変化で少人数婚のマーケットが広がっているのも事実です。参列人数減による影響は免れません。


③媒体依存の集客から脱せず利益を圧迫
広告宣伝費率が8%を超え、10%前後になっている式場が多く存在します。その多くは媒体への出稿費。自社媒体のメディア化ができない式場は赤字要因が広告費となります。
一方で、媒体出稿を止めると来館数減に繋がる悪循環が…

再生の鍵を握るフォトウェディングビジネス

そんななかブライダル業界にとって注目されているのがフォトウェディングです。本コラムでも何度もお伝えしていますのでポイントを絞って書きます。

Point1.これまでリーチできなかった層との新たな接点を創出
「結婚式を行うつもりがない」ナシ婚層や、「写真を撮って家族だけで会食をしたい」など、これまでとは異なる価値観を持つカップルとの接点を作ることができます。また、結婚式場探しの前に別で前撮りできるスタジオを探すというカップルも増えており、式場見学前客をフォトを入口に挙式・会食等の受注に繋げることが可能です。フォトウェディングの受注全体の10%が婚礼関連の追加受注に繋がっている事例もあります。

Point2.媒体に依存しない自社メディアでの集客力が身に付く
フォトウェディングの集客導線は自社のホームページとSNSがほとんどです。その場しのぎで資産にならない販促媒体とは異なり、継続して集客できるWebマーケティングのノウハウが蓄積されます。

Point3.平日稼働率が上がる
カップルのみの都合さえあれば実施可能なフォトウェディングは、婚礼に比べて平日稼働率が高く、平日の空いたバンケット活用が可能です。さらに施設を有効活用し、撮影のオペレーションをしっかり組むことで、婚礼の施行の合間でも同時に撮影が可能です。

Point4.直近期・閑散期の日程を埋めることができる
婚礼とは異なりフォトウェディングの受注までのリードタイムは約2ヶ月と短く、直近期を埋めることが可能です。また、ロケーション撮影は集客が季節に左右されることが多いですが、結婚式場やホテルで行う場合は施設内で撮影が行えるため閑散期となる真夏や真冬も安定して受注を獲得することが可能です。

Point5.既存の資源活用による低投資で利益の最大化ができる
既存の式場施設や人員といったリソースを活用するため、施設にまつわる初期投資が不要です。事業再構築補助金等を使用すれば、さらに投資実額を抑えることができます。

フォトウェディング事業で成功された結婚式場の事例

では実際にフォトウェディングを本格的に始動され、成功された企業の事例をご紹介します。

商圏人口16万人の地方都市でホテル、結婚式場を運営されておられるA社様。全盛期は年間1000件近くの結婚式を施工されていましたが、当時から年々、県全体の婚姻組数が減少し、15年前と比べて68.4%までに市場が縮小していました。

そんななか2015年にホテルの一部施設をスタジオに改装し、フォトウェディング事業をスタートさせています。
改装した場所は、もともと神殿、集合写真しかしないテナント、その為の通路として使われており、ほとんど売上を上げていない100坪のスペースでした。

今ではなんと、年間施工件数700組、平均単価が26.8万円で年間売り上げは約1億8,000万円にまで成長しています。
成功の要因は様々ですが、ここではその一部ご紹介します。

韓国フォトウェディングを強みとした差別化ポイント

A社様はとあることをきっかけに、韓国フォトウェディングを日本で展開。スタジオの運営をはじめて約7年間、当初から韓国のデザイナーによるスタジオ設計、韓国へのアルバムとレタッチの発注、韓国のフォトグラファーから撮影の技術指導を受ける等、独自の韓国フォトウェディングブランドを確立されたことが、ここまで事業を伸ばされた要因と言えます。

特筆すべき点は他にもあって例えば、全体の10%が紹介客であり、接客は基本的にリモートでの一回のみと生産性も非常に高いです。
また、自社Webマーケティングの強化によって月間の問い合わせ数は350件と一般的なスタジオの約7倍となっています。

繰り返しになりますが、全てはどこよりも早くから独自固有のフォトウェディングを追求してきたからこその結果です。

フォトウェディング経営を始める前に必要なこと

美しい写真を撮影して提供するというのがフォトウェディングの本質的な価値です。ただ、それはどのフォトウェディングスタジオも取り組んでいることです。
たくさんあるフォトウェディングスタジオの中で選ばれるためには独自固有の強みを磨いていく必要があるのです。フォトウェディング事業を本格的に参入するなら間違いなく今が最も良いタイミングになるでしょう。

ただ、同時に自社がどんな独自固有の長所を持って事業を展開していくのか、考えておく必要があります。
独自の長所を見つけるには差別化の8要素をもとに考えると良いです。

差別化の8要素についての記事はこちら

是非、フォトウェディングを立ち上げる際の参考にしていただければと思います。

フォトウェディング立ち上げの手順

  

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